映画紹介 トレマーズ

トレマーズ(1990)

監督 ロン・アンダーウッド

 

出演者 ケヴィンベーコン

    フレッドウォード

    フィンカーター

    マイケルグロス

    リーバマッキンタイア

上映時間 96分

 

アメリカの小さな町パーフェクション

 

そこでは人々は代り映えしない日常に愚痴をこぼしたり、冗談を言い合ったり

バーで談笑したりして日々を過ごしていた

 

しかしそんな町に地底を這う謎の生物が表れる、何もないはずの小さな町で彼

らは生き残る方法を探す

 

トレマーズは非常にユーモアのあるモンスター映画である。

 

冒頭からも牧歌的でゆったりとした風景が流れ、音楽もどこかカントリー調の、

のほほんとした感じである

 

主人公の青年は何もなさすぎるこの町に嫌気がさしており、毎日トイレの配管

を直したり、ゴミの収集の仕事をしている自分の現状に不満を感じている

 

調度、思春期の若者が、日々の平坦な毎日に退屈さを感じ、何か起きないかな、

近くで誰か殺されないかな、地震が起きて学校が倒壊しないかな、火事が起き

て嫌な奴の家が燃えないかな…などの不謹慎極まりない想像をするように…

 

しかしようやく町を出る決心をした若者バルの前には問題が立ちふさがる、地

中を這い、人を食らう怪物である

 

彼は町の住人と共に怪物と闘わなくてはいけない状況になるのだ

 

さて、本作の地底モンスターは面白い設定がある、まず彼らは地面の中は猛スピ

ードで動けるが地上では鈍い動きしかできない、獲物を捕食する時は必ず本体を

だす、目は見えなく、獲物が立てる音、振動で獲物の居場所を突き止める。

 

地面に近い獲物しか捕食できないので高い場所にいれば安全、しかし忍耐強く何

日も待ち構えているので、こちらもいつまでもじっとしているわけにはいかない、

などの面白い設定がある

 

これらの設定を上手く生かして、ハラハラする展開を演出したり、モンスターを

撃退したり、一時的に避難できる隙が生まれるのだ

 

これらのゲーム的なアイデアが画面にバラエティを出し、本人たちはいたって真

面目なのだが、それが画面の外から見ると独特な面白みを与えているように思え

 

人が捕食される場面はあるものの、過度な暴力描写は控えめな印象で作中バルと

地層学を研究しているロンダ(フィンカーター)とのロマンス、アール(フレッ

ドウォード)との親子のような軽口をたたきあう関係も作品のトーンを重くしす

ぎない要因となっている

 

作品を見終わったあとは、とてもモンスター映画を視聴したとは思えない爽やか

なラストと余韻を感じる。

 

このホラーとコメディの絶妙なバランスこそが本作がいまでも愛されている理由

なのかもしれない。